なぜ摩擦面では、様々な現象が起きるのか
ものとものとをこすると、摩擦力や摩擦熱などの様々な現象が起きる、という投稿は、別にしていますが、そもそもなせこのようなことが起こるのかを記します。
例えば、平らで滑らかな面を持つものどうしをこする場合、次の点に目を向けることが重要です。
(1)見た目には平らで滑らかな面も、拡大して見ると凹凸がある(ごくまれな特殊な加工をした表面を除きます。)
(2)平らで滑らかな面どうしを接触させても、見た目の接触面全部が接触しているのではなく、表面にある凸部どうしが接触している。そして、その実際の凸部どうしの接触している部分の面は、ごくわずかである(一般的には、見た目の接触面籍の数万分の一程度。接触させる材料の硬さと押し付ける力の大きさで変わります。)。
(3)したがって、実際に凸部どうしが接触している部分には、極めて高い圧力がかかるため、その状態で滑らせると様々な現象が起きる。
その圧力のイメージは、例えばアクリル板の上に同じ材質の100g程度のアクリル板を載せると、実際に接触している部分には、大まかには、人差し指の上にお相撲さん10人を乗せているような状態と言えます。
一見不思議に見えますが、接触面を拡大していると、こういうことがごく日常的に起きています。
表面がざらざらな面であれば、より明確にいろいろなことが起こることが見た目にもわかるでしょう。材料の表面を平らにするために、やすりなどで研磨するといったことはその例です。