トライボロジー(摩擦、摩耗、潤滑など)の仕事や生活との関わり

ものともの摩擦に伴い起こることと日常の仕事や生活の繋がりを記します。

摩擦面ではいろんなことが起こります

ものとものを擦ると、その摩擦面では様々なことが起こります。

良く知られているものとしては、摩擦力(摩擦抵抗)、摩擦熱、静電気が挙げられます。

自動車などのブレーキは、ブレーキのパッドを動いている車輪を構成している部分の一部に押し付けて摩擦力を起こすことで、減速できます。

最近は摩擦すると熱が起きることを利用して、熱を受けると消えるインクを使用することで、消しゴムのようなかすが出ずに文字が消えるボールペンも商品化されています。

その他にも、消しゴムかすのような、摩擦しているものが摩擦面で脱落していく摩耗や、化学反応が進んだり、発光がおきるなど、様々な現象が起きることが知られています。

比較的身近な例を挙げましたが、工業的には摩擦に伴う現象をうまくコントロールすることは、重要な課題です。


例えば、摩擦に伴って、ものとものを摩擦する際に加えられたエネルギーの大半は熱として逃げていきます。摩擦熱として逃げていくエネルギーは、摩擦力を減らすように素材や構造を工夫することで減らせます。
その工夫をすることで、例えば電気などで動く機械機器の消費電力を減らすことができます。このことは省エネルギーに役立つと言え、運転コストの縮減にもつながります。

一方で、摩擦が大きくなければ困る場合もあります。例えば、いかに高速に運転できるようにエンジンやモーターの性能をあげた車を作っても、それを止めるためには、ブレーキの性能も併せて高めなくてはなりません。そのためには、ブレーキを働かせたときに摩擦力が大きくなるような工夫が必要となります。特に、高速運転する電車などはそういったことが重要でしょう。

まず数例をあげましたが、より幅広い分野で、業務上の様々な課題を、摩擦をうまくコントロールすることで解決している事例があります。

今後その例を、順次投稿していきます。